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五輪は出場する選手にはそれぞれドラマがある。特定の選手、競技だけでなく色んな選手の競技に注目しよう。 と思っていたものの、実際自身が見た競技は正直メダルが期待される種目ばかりだった。
日本選手がメダルを獲ったら確かに嬉しいのだけど、自分自身の大会の印象が、 「選手の誰々がメダルをとった」、「メダルが沢山取れた」、だけだと寂しいというか平坦な視点と言わざるを得ない・・・
そこでもう少し広い視野で五輪を見る為に、メダルを獲得していない選手にも注目し、それを可視化してみました。データ分析までの流れは、 ①選手の順位に応じてポイントを付与する。②ポイントを国ごとにまとめて集計する。③それらをデータ化し傾向を分析する。となります。 一部のメダルを獲った選手だけではない、全体の傾向がわかるデータとなっています。
今回データ化させて頂いた競技は、スピードスケートです。パシュートを除いた全種目(距離)ごとに出場した選手の順位に応じてポイントを付与し、それを男女別に国単位でまとめました。 国単位にした理由は、やはり日本人なら日本がどれだけ活躍したかという基準で競技を見ると思ったからです。ですのでどこの国がどのくらい活躍したか、がわかるようになっています。
ポイント配分は、例えばある国の選手が1位だった場合、その選手の所属する国に50ポイント、2位の場合は40ポイント、3位なら30ポイント、以下順位が1つ下がるにつれ、 加算されるポイントが1ずつ減るという仕組みにしました。
実際の競技を例にすると、女子3000Mの場合、出場した日本選手全3名は5位、8位、19位でした。それぞれ獲得するポイントは28、25、14となり(表1)、 合計すると日本に加算されるポイントは67です。
この3000Mのように全種目に出場した全選手のポイントを集計したものが表2です。
女子の結果を分析してみると、まずメダルを獲った数が多いオランダと日本が順当に1,2位になっています。 ただメダルを獲得していないカナダやアメリカがそれに次ぐ順位になっていて、メダルをとったチェコ、韓国、OARよりも上になっています。メダル獲得の有無は表3を参照。
通常私たちが目にするのは表3のようなメダルランキングかと思いますが、残念ながらこれはメダルを獲ること以外に意味を見いだせない指標です。 しかし今回のデータを見ると、カナダとアメリカのようにメダル獲得していなくても、上位進出を果たしている国がある事がわかります。
男子の結果も女子同様に、メダルを取った国が全体的に見ても強い傾向があります。ただ日本に関しては、 残念ながらメダルは1つも獲得していませんが、出場した全選手の順位の集計結果は全体の4位、それも2位の韓国にかなり僅差に位置しています(表4)。
今大会あまり注目されなかった日本のスピードスケート男子ですが、上位進出した選手が多く、かなり活躍していたと言えるのではないでしょうか。
前述した平昌五輪のスピードスケート男子ですが、実際に競技をご覧になった皆さんの印象はどうだったでしょうか? データ結果を見れば国民に称えられてもおかしくないと個人的には思いますが、マスコミからはあまり注目してもらえず、メダルを多く獲得した女子の陰に隠れてしまった印象がぬぐえません。
確かにメダルを獲る事はすごい事だと思いますが、あくまでもそれは全体の中の一部の情報です。見る側としてはそのような点の情報だけでなく、 物事の全体像に視点を向ける事が大切です。もちろん全てを見る事は出来ないのですが、 これはマーケティングや世の中の多くの事に当てはまるのではないかと考えています。
今回は1つの競技という事で、母数も少なくて申し訳なかったのですが、もっと大きな単位、 例えばスピードスケートだけでなく、「スケート」、「スキー」、あるいは五輪の全競技を集計すると、また違った傾向がみられるかもしれません。 是非五輪をいろんな角度で見て、自分なりの視点を探していただけたらと思います。