自分の検索キーワード履歴を分析してみた。検索キーワードにはドラマがある| どっつき きのこ都市

自分の検索キーワード履歴を分析してみた。検索キーワードにはドラマがある。(2017.9/30修正)

不特定多数のキーワードではなく1ユーザーのキーワードを分析する

普段私たちウェブマーケターが分析するキーワードは、アクセス解析ツールやグーグルのサーチコンソールのキーワードです。 確かにそれはそのサイトに訪問するユーザー心理を推測するヒントにはなりますが、1サイトに限定された情報ですので汎用性がありません。

そこで「グーグル履歴」で、過去に検索した自分のキーワードの履歴を見てみました。 1人のユーザーのキーワードを分析する事で、自然検索時のユーザー心理を理解できないかと思った為です。

ユーザー1人(自分のですが苦笑)が、ある1つの情報を調べるために用いた複数の検索クエリの関係性や連続性を分析しました。

もちろん数あるユーザー傾向の一例かもしれないです。データの母数が少ないですし。 ただ皆さんも自分が検索する時を振り返ると、思い当ることがあると思います。

例えば直前に検索したKWに1語追加して再検索する事があると思うのですが、そうする理由を考えたことありますか? 私の推測では初回検索時、検索結果画面に求めている情報が見当たらなかった為、だと思いますが、それを心に留めている人は少ないはずです。

なお今回の内容とは関係ありませんが、グーグルが優れたユーザー目線を持ってるのは、こういう踏み込んだデータを膨大に所持している為かなと思いました。

けっこうユーザーを深掘りしてるので、自然検索時のユーザー行動のミクロ視点の一例になれば幸いです。

ユーザーは大から小で検索する

例1.

1回目の検索時の検索クエリ →  「東京 引っ越し 業者」

2回目の検索時の検索クエリ →  「東京 引っ越し 業者 単身」

1回目のキーワードの内容からニーズを推測すると、ポータルサイトを探したい、という確率が高そうです。しかし一回目の検索の数分後に1語追加して再検索しています。 1回目の検索で、期待したコンテンツが見当たらなかったと予測できます。検索結果画面にはポータルサイトが大半を占めていた記憶がありますが、 それが逆にわかりずらかったのか、てっとり早く情報を特定させたかったのか、1語追加して検索した事実がありました。

検索行動の傾向としては、初めに大きなキーワードを入力して、ニーズが解消されない場合は、ニーズを特定させるためのキーワードを追加する事が伺えます。 同様の傾向は他の検索クエリにもありました。

ビッグワードを検索時のユーザー心理とそれを踏まえた運用の仕方

さらに検索者の(私ですが(笑))目的を「東京 引っ越し 業者 単身」という2回目のクエリの内容から推測すると、 「単身向けの東京の引っ越し業者を探したい」という「具体的な目的を持ってる」可能性が高い事がわかります。

にもかかわらず1回目は「東京 引っ越し 業者」という、抽象的なキーワード(ビッグワード)で検索している・・・ これはSEMを運営する側(この場合東京の引っ越し業者)からするとビッグワードをハンドルするヒントになるのではないでしょうか。

つまり具体的な目的を持ってるユーザーにマッチさせる為に、自社の特徴や強みを具体的なスニペット、広告文で訴求する事です。

それを自然検索で実現可能なら、かなり効果が見込めるはずですが、もし競合にポータルサイト多い場合は、上位表示させるのはかなり難易度が高いですよね。 ちなみに現在実際に「東京 引っ越し 業者」のキーワードで検索した際の自然検索結果画面は、やはり上位の大半がポータルサイトでした。

であればもちろん検索連動型広告に出稿という事になります。実際の検索結果画面での競合の広告文は「価格訴求」、それに「具体的訴求」をしている業者さんもありました。 競合を検索連動型広告だけでなく、自然検索結果まで含めると、ポータルサイトが多くを占めています。確かにポータルサイトで複数の業者を比較するユーザーも多いはずです。 しかし自社の特徴や強みを具体的な広告文を訴求する事で、具体的な情報を求めているユーザーの関心を高める事ができると考えています。

ちなみに申し訳ありませんが今回のケース、個人業者さんがもし広告文を作成するなら、具体的訴求は当たり前、という方も多いですよね。 そのような方にはあまり参考にならなかったかもしれません。

ただ原理として、「具体的な目的を持ったユーザーとはいえ、ビッグワード(絞り込まずに)で検索する場合がある、もし競合が抽象的な訴求をしているなら、 具体的な広告文、スニペットで訴求する事で成果が見込める可能性がある」という事は考えうるかもしれません。

ユーザーは必ずしも意向に沿ったキーワードで検索しているわけではない

例1の1回目の検索クエリは、なぜ「東京 引っ越し 業者 単身」ではなく「東京 引っ越し 業者」だったのか。検索時の状況を思い出しながら、 いくつか考えてみました。

  • 複数のキーワードを入力するのが単純に面倒だった。大まかなKWでも、求めている情報が検索結果画面に表示されると思った。
  • キーワードがパッと思い浮かばない。知りたい内容は頭に浮かんでいるのに、適切な検索キーワードが思いつかない。 ちなみにそのような歯痒い経験はありませんか? 不馴れなジャンルほどその傾向があるのでは。そんな時は検索結果画面のスニペット、サジェスト機能、 虫眼鏡キーワードに頼ることがあります。このメカニズムを担当者が把握していると、新たな発見があるかもしれません。
  • サジェスト機能に表示されるキーワードなら、対応するコンテンツも多いのではと考えました。 これは多少の検索リテラシーをユーザーが持っている事が条件ですが。
  • ポータルサイトを利用しようと思った。とりあえずポータルサイトに訪問してみようと思った記憶があります。 担当者は「競合」がポータルサイトか、他社単独サイトかをチェックする必要があります。実際に検索して、検索結果画面を確認するべきです。

抽象的なキーワードは新規顧客、具体的なキーワードはリピーター

数は多くなかったですが、小から大で検索しているパターンもありました。

例2.

1回目の検索時の検索クエリ →  「パスタ 小松菜 ツナ ホワイトソース」

2回目の検索時の検索クエリ →  「パスタ 小松菜 ツナ」

1回目の検索で絞り込み過ぎて、読みたいコンテンツがありませんでした(笑)

ここから言えることは、検索者になじみのあるジャンルの場合は、細かくピンポイントで検索する事がある、です。

3,4語のキーワードで検索する理由は、

  • よりマッチした情報を取得したい
  • 少ない回数で効率よく検索したい

などでしょうか。

ここまで検索時のユーザーの状況、心理は詳細をお伝えしましたが、それを踏まえたSEM担当者の打ち手となると、細かい状況にもよるため、 クリティカルなものではなかったかもしれません。ただマーケティングで重要なのは、今回のようにユーザーの心理、行動を色々な方向から考えること、 さらにいかにそれが出来るか、だと思っています。あとは施策を実行、検証し、角度、粒度を調整していけば、必ず成果が出るはずだと考えています。